2015年3月16日月曜日

「よもぎ餅」2014年12月 2/5

七月や松かげ越しの海眩し
夏の空大海の水を吸い上げる
蝉時雨畳に触る浜の砂
夏の天背泳ぎすれば音の消え
目の前の肩で一息黄金虫
もっと鳴け時空を制す蝉の声
なみぎわに足元とられ我ひとり
ひぐらしの声聞きながらスイカ食う
手花火やけむり流れて風涼し
夏深し五泊六日のバンガロー
税関を通り過ぎればそこは夏
白浜にゆれる月影椰子の下
ひく波にサンダルもぐる夏の朝
波音の肚に響くや夏の昼
夏夜風窓を閉じれば窓の外
空港がこの地最後の地面かな
見上げると空はまっくら夜店路や
ほおずきやええやろ買うて買うてえな
子供らを墓が見守る夜店かな
夏の夕山のすそ野の足湯場や
夕焼けや染まる家屋のあかるさよ
夕暮れに山際光る畦道や

2015年3月15日日曜日

「よもぎ餅」2014年12月 3/5

虫の音や億光年の空(くう)の星
貯水池の水面さざなむうろこ雲
銀杏の樹二億年間ここに居る
陽と水と土の氣溜めて稲穂垂れ
稲穂の香炊き立てご飯焼き秋刀魚
日の暮れて田仕舞あとの静けさや
竹かごで鳴く鈴虫や水枕
山道を毬跳ね下りる秋の空
日に透けて山路行くなり薄かな
枯れてこそ穂の麗しや夕すすき
秋寒し蝉のいのちは樹に潜む
倒木に生える茸や修験道
せせらぎが紅葉の中をすぎゆけり
保津川の流れおだやか紅葉かな
ぬれそめて紅葉麗し軒の下
ふもとまで雨の降りたる紅葉山
岩肌に苔生す奥の秋の山

「よもぎ餅」2014年12月 4/5

渡り鳥かぜの潮目を見つけたり
風冴えて通学路にも吹き抜けり
冬晴れやいつもの道の影長し
ひかる陽の水面におちる小春かな
短日や野を歩むればけしき去り
夕みぞれみぞれのままの高瀬川
さびしさや夜道の湿る冬時雨
ひとりでも酒あればよし冬の夜
一月や待合室の蛍光灯
雪道を小幅で歩く靴が鳴く
雪路暮れ音しみ入りて風の止む
冬夜汽車じっと動かぬ天井灯
しんとして雪つもりゆくコップ酒
あかるさは枕灯のみや冬の夜
朝寝坊障子の外の冬晴れや
雪だるま雪かきあとに鎮座する
長廊下硝子戸越しの冬日差し
路地裏の土間に湯気立つ冬日かな
冬の道桜と気づく人もなし
寒暁や始発列車の踏切音
東雲に雪嶺遥か手を洗う

「よもぎ餅」2015年12月 5/5

生活が海水に流される
火鉢から炭溶け落ちてけしきなし
目に見えぬ影がそこらに立っている
人の居ぬ帰れぬ里の瓦屋根
セシウムと魚の群れが回遊す
ベクレルや編み舟に乗り国の中
心からそこにあるものないという
おい自分自分の脳で考えているか
ということでとりあえずのビールかな

2015年3月11日水曜日

2015年2月23日月曜日

2015年2月18日水曜日

雪解

瀬の音の丸く聞こゆや雪解風

月影

名月や正しく影を映しけり

人の居ぬ夜道に落ちる月の影

松原に月の粒子の降りそそぐ

清水の舞台に降りる月影や

2015年2月11日水曜日